トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男

http://www.uplink.co.jp/tom_dowd/
1940年代から現役で活躍してきた米国のプロデューサーにして優秀なエンジニアのお話。録音環境などのハードウェア、そしてミュージシャンとスタッフをソフトとして成り立つレコードという商品をいかにして作り上げてきたかというドキュメントでもあるので、プロジェクトX的な見方をしても面白い。
そして私のお目当ては、エピソードに絡んだミュージシャンのライブシーン。ブッカー・T&The MG's を映像で初めて見ました。感涙。そして大好きなギタリストのデュアン・オールマン。こちらも動いてるのを見るのは初めて。ウィルソン・ピケットの「ヘイ・ジュード」でのギタープレイをいたく気に入っていたクラプトンを、トムがオールマン・ブラザーズ・バンドのライブに招待したのがきっかけで、デュアンがレイラセッションに参加したことが語られた。"Layla" での2人のギタープレイをトムが30年ぶりにオリジナルミックスする場面ではフィーダーを操り、右がクラプトンで左がデュアン、ここからドラムが入るよ、と解説。このすぐ後にデュアンが急死したので、このコンビでのプレイはその後存在しないということを今日の私たちは知っている。時間軸に屹立する、永遠なる一瞬の煌めきのようなものが込められているような気がしてならない。
レコード・コレクターズ 2006年4月号を参考にして「トム・ダウドのおしごと」プレイリストを作り、しばらくはこの映画にハマっていたい気分である。サントラがあったら買ったのになあ。

いとしのレイラ

いとしのレイラ