悩殺スメルの正体

今の職場では、春と秋は空調をかけずに窓を開けっぱなしにしている。お昼前と夕方に、ご近所の美味しそうなニオイが漂ってくることがあるのだが、ここ最近は夕方6時くらいに決まってニンニクを炒めたようなニオイが、退勤1時間前、正に空腹絶頂期に働く我々の脳天と胃袋を直撃するのであった。私はその芳しく且つ憎っくきニオイをアーリオオーリオスメル*1と名付けてみた。
今日もまた悩殺スメルの襲撃が始まった。あと1時間で終わりか、と伝票を抱えて溜息をついたところで気がついた。これはお昼に食べた「穴子の香味揚げ」と同じ香りじゃないか!?アナゴアナゴと騒いだところで、職場の人は何が何やら分からんかったようだが(当たり前だ)、私としてはニオイの出所を見極めたので何となく気が済んだのであった。
とは言っても裏の「古月」だけでなく、フランス料理「ダ・コテ」のニオイもやってくるので、窓を閉めて暖房をかけるまでは、気が休まる日はしばらくなさそう。あと、イイ年こいて真っ先に「揚げ物のニオイ!」とか「醤油の焦げたニオイ!」とか「焼き鳥のタレみたいな(略)」とか呼ばわるのは周りの人から見てどうなんだろうという心配もある。みんな思ってても口に出さないのが社会的常識なんだろうか。それとも私が人より鼻が効くのだろうか。単に食いしん坊なだけなのか。謎は尽きぬままこの項を終わる。

*1:アーリオ=伊語でニンニク、オーリオ=伊語でオイル。これに赤唐辛子が入るとペペロンチーノ Aglio Olio e Peperoncino になる。