鴨川シーワールドでシャチをみる

 
社会人になって覚えたことのひとつが、時間を金で買うことが可能ということだ。
今回のドライブは、有料道をフル活用して房総半島へ向かった。
1日目は同行者A氏ご推薦の鴨川シーワールドに行ってきた。
シャチが観れるのは日本でここだけというのと、イルカショーは他の水族館と別格であるとの熱い主張をかねがね聞いていたのでとりあえず日程には入れていた。
GWで激混みなのは分かっていたが、暦では平日なので3日以降よりはマシだろうとの読みと、天気が崩れる予報で客足が減るとの予想を立てて、日程を変更して臨んだらこれが大当たりだった。


中野区を朝8時に出発して湾岸道路からアクアラインへ入り、木更津から房総半島を突っ切って太平洋側へ出ると、そこはもう目的地の鴨川だった。実質3時間くらいか。
駐車するのに多少時間は食ったが、思ったほどの混雑ではなかったのでほっとした。


昼食も摂らないで空腹なはずだが、とにかくシャチを観るの!という同行者に従ってシャチショーに向かった。イルカに比べるとシャチはずいぶん鈍重に見える。ジャンプも身体の半身だけ捻っている感じ。でも人を乗っけたりする芸は迫力がある。いつかパクッといくんじゃないかと思って観てたのは自分だけじゃないだろう。
飛行機でいえば、イルカは F-16 とすればシャチは F-4E ぐらいか。それぞれ良いところがあるので、両方いっぺんに見られるのは面白い。
イルカショーはとてもテンポがあって、演目が練られていると思った。イルカは多頭での演技がやはり見物で、4頭同時のジャンプはここで初めて見た。
あとどこでも同じようなアシカショーは、ここでは小演劇仕立てになっていてなかなか面白かった。芸ではコミカルな動きをするが、水の中ではとても優美な生き物であることもここで初めて知った。
また、日本ではたぶんここにしかいない白イルカのベルーガがたいへん美しかった。
ショーもあるのだが、時間の都合で見られなかったので次のお楽しみとしておいた。


これは現地に行くまで知らなかったことだが、ここはショーが主体の水族館で、通常の水槽展示が少ない。他の水族館とは比率が逆なので最初とまどったが、飼育・繁殖にも熱心であるのは飼育記録から伺える。マンボウの人工飼育記録では世界記録を保持している。


なんだかんだできっちり閉園時間の16時まで滞在して、ようやく外に出た。
園内はほぼ禁煙なので、一服しようとすぐそばの海岸に向かった。
座ってぼーっとしていたら、同行者が「波打ち際になんかいる!」と騒ぎ出した。
よーくみると、黒いアタマのようなものが動いている。
ややや、まさか、あの噂の漂泊アザラシ「カモちゃん」では?と見てみると、まちがいなくそれはゴマフアザラシであった。
カメラを持って走り出したが、いかんせん手元にあるのは広角系のレンズのみ。ファインダー内では黒い粒にしか見えないので撮影はあきらめた。
周りの家族連れもわーわー言いながら走り寄っていたが、偵察中の係員がちゃんと仕切っていて近づけないようにしていた。砂浜にあがって一休みしたいのだが、人間どもが騒いでいるので海から上がれなかったらしい。そうかそうかと納得して、海岸を後にした。


夕ご飯は駅前の回転寿司屋で魚モノをたらふく食べた。まだい・かんぱち・ひらまさ・あじなど。あと、ヘンな海草がうまかったが名前が分からない。

        • 5月10日追記。

<カモちゃん>千葉・鴨川から姿消す 北海道の海に戻る?


 千葉県鴨川市鴨川シーワールド前の東条海岸に1月からすみ着いていた雄のゴマフアザラシ「カモちゃん」(推定年齢2、3歳、推定体重60〜80キロ)が、4日午後6時半に同海岸で確認されたのを最後に姿を消した。シーワールド職員らは「生息地である北海道方面の海に戻ったのではないか。元気に育ち、来年も来ることを願いたい」と話している。
 カモちゃんは昨年3月にも同海岸に現れ、換毛が終わった4月15日以降にいなくなった。今年は1月16日に出現し、換毛後も毎日のように海岸に姿を見せて浜辺で寝そべるなどしていた。
毎日新聞) - 5月10日22時27分更新

ちょうどこの時は北の海に帰る直前だったらしい。ラッキーだったんだなあ。