太宰治文学サロン

さよならを言うまえに (河出文庫)
所在地は三鷹市下連雀3-16-14。公式ページはこちら
「らーめん文蔵」よりもう少し先、本町通りとさくら通りのぶつかるあたりにある。とか書くとラーメンのついでに行ったのがバレバレだ(苦笑)。駅前図書館に行った帰りってことにしておこう。
元は太宰ゆかりの酒屋(伊勢元酒店)だったが、取り壊してマンションにした時に記念館的なものを作ったとどっかに書いてあったような。太宰が居た当時のもので三鷹に現存なのは、森鴎外の墓と井の頭公園三鷹跨線橋くらいじゃなかろうか。玉川上水は給水が途絶え、小平から二次処理水を流している架空の川である。
企画展示は「太宰がとらえた三鷹の街」。関係年表の他、三鷹の古い写真多数で興味深い。面白いものとしては、「生活が苦しくて税金払えません」と武蔵野税務署に出した減免申立書や、「人間失格」冒頭の直筆原稿などがあった。
やはり太宰のファンのための施設なので、お客さんとスタッフの応酬を聞いていると、ほとんど作品を読んでないで来ちゃった不埒者としては心苦しい。内心困りつつも地理ネタ(玉川上水がらみ)で話を繋いでいたら、「太宰の遺体引揚現場」というショッキングな写真を持ってきて見せてくれた。当時の新聞に載ったものだそうである。失踪して一週間行方不明だった後に見つかったので、引揚も衆人環視で行なわれたという事実がアリアリと判った。
玉川上水が人食い川と謂われていた理由は、水路の断面が二段、つまりヒョウタン型になっており、そのふくらみに入ってしまうと見つからないということだったそうである。こういう貴重なお話が聞けるのも地元ならではかもしれない。月イチで日曜に太宰ゆかりの名所巡りをやってるそうなので、そのうち行ってみようかと思う。