夢野久作『ドグラ・マグラ』マンガ化

文学名作のコミック化が進んで久しいが、ついにあの怪作『ドグラ・マグラ』がコミック化されたとのこと。いやー、これは一度見ておかなければ。
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狂人の書いた推理小説という設定で書かれており、日本推理小説の中でも三大奇書の一つとして知られている。読んだものは発狂するとか言われる所以は、時間空間が捻じ曲がって物語が進行するために読者が混乱する辺りから来たものだろう。エログロナンセンスを煮詰めて煎じたような濃密な描写がこれでもかと続く。これが昭和初期に書かれていた事実に圧倒される。
いい世の中になったもので、夢野久作の著作は青空文庫で読むことができるようになった。秋の夜長のお供にいかがだろうか。
個人的にオススメを挙げておこう。短編なら『人間腸詰』『斜坑』『笑う唖女』『瓶詰地獄』『いなか、の、じけん』。長編なら『氷の涯』『押絵の奇蹟』『あやかしの鼓』『少女地獄』。
三大奇書のあと二つ、『黒死館殺人事件』『虚無への供物』はまだ推理小説の体を成しているので、読み易いと思う。だいたいどこの図書館にも置いてあるので、興味のある方はどうぞ。
あ、そういえば月刊IKKIで連載してる内田百輭×一條裕子阿房列車』はまだ単行本にならないのかな。
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) 黒死館殺人事件 (河出文庫 お 18-1) 虚無への供物〈上〉 (講談社文庫) 第一阿房列車 (新潮文庫)