廃駅「万世橋駅」遺構を見学

5月14日で閉館する神田の交通博物館。中央線・総武線が今日の姿になる前には「万世橋駅」として交通の要所であったところ。その遺構を閉館前に特別公開しているのを見学してきた。写真は万世橋駅のホームに上がる階段。博物館の中からガラス越しに見られるだけで、ここに実際に入っていくわけではありませんのでご心配なく。長くなっちゃったので詳しくは「続きを読む」からどうぞ。
遺構見学予約は2日前までに電話で行なう。予約時間の30分前にパスをもらい、集合場所近くで待機する。係員に「ええっ、当日には見られないんですか?」と聞いているお年寄りもいた。お気の毒だが仕方ない。あまりの混雑に土日の予約は早々に埋まってしまったという当企画。当方もネットで調べて早々に知っていたにも関わらず、予約を忘れていて土日にあぶれて平日に入れたクチである。集合場所は1号機関車前。重文指定を受けている文化財だが、その前には子供用の顔ハメ看板が。お隣にある山手線運転シミュレーターの混雑を横目に静かな時を過ごしている。その後尾にある扉がかつての万世橋駅入口との説明を受けた。まっすぐ進むと今は自販機が置いてある休憩ベンチ、かつてはプラットホームへ上がる階段の踊り場であった。そこから階段を見たところが上の写真というわけである。そう云われて見ると過去の動線がくっきりと浮かび上がり、今にも和服や洋装の紳士が降りてきそうな気がしてくる。
さてツアーへ出発。模型の間をぞろぞろと係員について進み、いよいよアナザーワールドへ。役員室などが並ぶバックヤードを通り抜けて暗い湿っぽい通路にさしかかる。雨漏り等も最低限にしか修繕していないようだ。扉を開くと、そこはレンガアーチの部屋。昨日の雨がザーザーと落ちてくるので、立入可能なのは部屋の一部だけになっていた。頭のすぐ上を中央線の高架線が通っているらしい。そこで5分程度の紹介映画を見て、その後5分程は撮影時間に充てられた。とは云っても狭いスペースに20人からいるので撮ろうにもどうしようもない。とりあえずストロボ焚いたり焚かなかったりして何枚か撮った。その後は万世橋駅プラットホームを見学。中央線から見えるあの妙に広い芝生のスペースがそれなのは知っていたが、そこから首だけだしてホームを眺められるようになっている。右は中央線上り、左は下り電車がゴウゴウと通過していく。

ここでツアーはおしまい。通路の出口でパスを回収して、博物館内に戻った。所要時間は20分くらい。時空を超えた旅はあっけなく終了。
その後は2・3階の電車以外の乗り物系をゆっくり見学。国鉄JNRマークの入ったリニアモーターカーの模型がお気に入りなのだが、これは新しい博物館に展示されるのだろうか。飛行機や船舶の実物展示や模型もたくさんあるが、これらの行き先はどこになるのだろうか。移転先が決まっているのなら是非告知をお願いしたいと思う。模型展示も素晴らしいが、実物を見られるのがここの最大の魅力だから。同行者は船舶模型がお好きらしいのだが、古い船の解説を見ていると末尾が「軍に徴用され撃沈された」で終わってるのが何ともやりきれない。
ある船の模型にはトップレスのビキニ姉さんが装備されてるのを発見したりして、何度来てもしつこく見学して最後ぐったりして帰ってくるハメになる。