短足な猫に呼ばれて厄祓い

みじかすぎる四肢

ヒマなので水戸へ買い物に行く。ついでに厄払いをする。
銀杏坂のあたりに案内看板が立っており、三の丸にある旧県庁の写真が目に付いた。いちおう地元民のはずだけど今までちゃんと見た記憶はなかった。煉瓦作りの古い建物のようなので、興味が湧いて足を運んでみた。
水戸市街のメインストリートである国道50号から北に曲がって3分ほど歩くと警察署があり、その先の右側にでかい穴ぼこが二つ開いている。なんじゃこれ、と思うと解説看板があり、水戸城空堀とわかった。堀をわたると旧県庁の建物が見えてくる。建物玄関の上方に古い茨城県章がついていて、時代に取り残されたような印象があった。その近くに工事用ネットで覆われた塔が見えた。上部のオブジェだけ見えており、どうも給水塔のようだ。そばにいってみると改修工事中で敷地に入れない。塀を乗り越えて入ってみる。案内を見ると昭和7年築の給水塔と書いてあった。ビンゴ。でも全景が見られないのが残念でならない。
◇参考:水戸市水道低区配水塔
http://maskweb.s22.xrea.com/architecture/b_mitohaisui_1_1.html


次は旧県庁の裏に回ってみる。古びた木造の建物と鳥居が見えた。水戸藩の学校「弘道館」跡地で、現在は梅の木が植えられている。烈公(徳川斉昭)ゆかりの梅の木や石碑などが残っている。こないだの九段会館からどうも右寄りに足が向く。意図はないのだけど。
鹿島神社の鳥居をくぐって八卦堂を見に行くと、素晴らしく足の短い猫がにゃあああ〜と擦り寄ってきた。これがダックスフント並みに短足でめんこい。撫で回すと手に絡みつきネコキック。指に噛みついたのをそのまま持ち上げるとぷら〜んと釣れたので、手を左右に軽く振るとポデッと地面に落ちた。猫とは思えない運動神経でこっちが驚く。どうも退屈してたらしく、こっちが帰ろうとすると短い足でちょこちょこと後を追ってくるのがいじらしい。しかし遊んでいるとキリがないので、泣く泣く振り切って神社に向かう。宮司らしきお爺さんと中学生くらいの女の子が店番をしていたので、お祓いをお願いするとすぐにやってくれた。ひとりで受けたので、どこで頭を下げるとかわからなくてちょっと困った。宮司手づから漬けた無添加梅干しを神饌として配布しているのが梅の街水戸らしくてよい。社務所には「茨城県神社庁」の看板も掛かっていた。
光圀公ゆかりの常磐神社は毎年かなり混雑するが、烈公ゆかりの神社は静かな新年を迎えていた。あと1ヶ月もすれば梅が咲いて賑やかな春が観光客と共にやってくる。