ふたりで花見


くもりの予報が出ていたが、早起きして千鳥ヶ淵へと向かった。
あのお堀に浮かぶボートに乗ってみたかったからだ。もちろん乗るには行列覚悟だが、朝一番で行けばそんなに待たずに済むのではないかと考えたからである。


少し寝坊して、九段下に着いたのは9時前くらい。しかし駅の出口からすでに人の波は始まっていた。
足早にボート乗り場へ向かうともう行列は出来ていた。ボートの開始時間は9時30分だが、この時点で130人くらいは並んでいた。ボートは55艘あるのは調べていたのでだいたい1組2人と考えて、みんな一時間乗ったとしても10時半には乗れるだろうと見積もった。
同行者とぐだぐた話しつつ待っている間にも花は散り続け、ひときわ強い風が吹くと堀の下から風と共に花びらが舞い上がり、その度に観客から歓声が上がっていた。


予想通りに10時半頃に順番が回ってきた。ぐらぐらしながらもなんとかボートに乗り込んでいざ出発。
当たり前だが水面が近い。底が浅いらしくて漕ぎ手は一苦労。そのうちコツをつかんだらしく、すいすいと進み始めた。


やはりここが花見の特等席なのは間違いない。人に押されることもなくお堀の全景が眺められる。ボートに乗った人は一様に幸せそうなふぬけた顔をしている。たぶん自分もそんなふう。
高いところから見下ろしてる順番待ちの人たちに対しての優越感も感じた。ふつうは見下ろす方が立場は上なのだが、ここに限っては下に降りている方が勝ちなのだった。
ときどき水面まで届いた枝に突っ込んだりしたが、転覆事故もなく貴重な一時間を過ごした。


お堀から上がって九段下に向かう途中のインド大使館で桜まつりをやっていたのでカレーを食べてきた。チキンカレー、野菜カレーそれぞれ700円。量は少ないがスパイスがばっちり効いてておいしかった。日差しは暑いけど、あつあつのチャイも飲んだ。しょうが味がきつかったがこれもおいしかった。


次は地下鉄で代々木公園へ。同行者の撮影につきあってから草むらで昼寝、としゃれ込みたかったが余りに暑くて断念。公園内のビールは350缶が500円。暴利なので私は買わなかったが儲かってんだろうなあ。


まだまだ行く。つぎは豊島園。ここは去年に夜桜を見に来ている。その前にスパゲティを食べてから入場しようとすると、窓口のおばさんに「あと30分待って4時になったら入場料かかんないわよ」と親切に教えてもらった。いやー、実にありがたい。スタバで時間つぶしてから16時に入場。
いろいろ絶叫系乗り物に乗るつもりが、荷物預かりをしてくれないとかで少し揉めて、体力的にも限界に近い上に気分的に萎え萎えになってバイキングだけ乗って退散。
1907年製のメリーゴーランドが素晴らしかった。