電車で席を譲るという行為をtweetしたら

字数制限が140字なので、カッコ内を省いた内容をつぶやいたと想定して読んでみて下さい。
渋谷行きの井の頭線快速。(1駅目の久我山で)若い女性が赤ちゃんを抱いて乗車してきた。席を譲ろうとしたら断られた。(理由は分からない。そこで私がサッと立てば良かったものを体力温存したいのもあって)そのまま座っていて、(永福町・明大前で大混雑に。むずかる赤ちゃんをオモチャであやす)若いお母さんを目の前に立たせてケータイを見ている自分を他の人から見たら、けしからん奴と思うかも。ヘタすると怒られるか。
ということをtwitterでつぶやいたら、意外にも色々なご返答を頂戴したので列挙してみます。(RTされたのを含む)

とまあ、各人がその場で思ったことをすぐに返してくれるのがtwitterの醍醐味だったりするのだけど、それはさて置き、そこから見えてくる反応が興味深かった。
まず意外だったのが「優しいですね」というもの。フツーは譲らないのか、と嬉しくなるどころか暗澹たる気分になるが、考えてみたら社会的弱者を立たせて知らんぷりして座ってる奴はけしからん、という論調は絶えないし、優先席が設定されてる事実からも、いかに席を譲らない人が多いかということが導き出せるので、世間様は譲るのが常識でないのかもしれないということで認識を改めた。
そしてまた、絶対的立場から正義を振りかざして他人を糾弾する事は快感であり(実にみっともないが)ボケッと座っていた私は事情を知らないお節介の第三者に叱られるかも、と不安を覚えたのがつぶやきの主旨だった。これに応えているのが「濡れ衣被る?」で、対応策に言及したのが「黙って立てばいい。」
なるほど。混んできたら黙って立っておけと。まあしかし、前述の方のようにアバラが折れてるとか、妊娠初期・生理が重い・徹夜明け・二日酔い等、他人には見えない事情が色々ある訳で、前に述べた「知らんぷりして座ってる奴」をイキナリ捕まえて事情も聞かず糾弾するようなことは起きないでほしいなと、どこに居るとも知れぬ正義面ぶったお節介氏にお願いしておきたい。
最後に、座らなかった若いお母さんはどうなったか。10分くらいして疲れたのか、下北沢停車でちょうど空いた席に座った途端、赤ちゃんが凄い勢いで泣き出し、あやす甲斐もなく快速一駅分を泣き通して渋谷で降りていった。
以上の経緯を、同行した友達に話したらアッサリと推論を出してくれた。赤ちゃんをあやすには、座ったままでなく立った状態で視界を変えながらやるのが普通で、混雑した車内で座ったままだと飽きて泣く子も多い。それを恐れて体力のギリギリまで座らなかったのではないかと。
母親というのは実に大変な生業なのだなあと改めて思い知らされた。彼女には彼女の事情があったのだ。子供は泣くのが当たり前、元気で結構なんて暢気な言説は通用しない世間に対する恐れみたいのも垣間見えて切ない。
そして帰りの井の頭線で、年配の男性に席を譲ろうとしたらまた断られた。なんかもう、私に落ち度があるとしか思えなくなってきた。譲られたら一度は断るという風習が井の頭線にはあるのだろうか。謎は尽きぬままこの項終わります。最後まで読んでくれたかた、長文お付き合いありがとうございました。