台場小香港で地雷を踏む

「たしか担々麺を出す店がたくさんあったよなあ?」というオボロゲな記憶を頼りに台場デックスへ向かった。前に行ったときはお目当ての「陳麻婆豆腐」で山椒ビリビリの麻婆定食を食らい、至極ご満悦で帰ってきたのだが、同じフロアに中華料理店が数軒入っていたので機会があればそちらも攻めたい、とかねがね思っていた。
適当にフロアを見て回り、鉄鍋餃子と担々麺を出すという店に入った。私は担々麺が好物で、同行者Aは餃子に目がないのである。時間帯が悪かったのか(日曜の20時過ぎ)、店内はガラガラ。鉄鍋餃子2人前と餃子担々麺とチャーハンを頼んでみた。まずはチャーハン。まーこんなもんでしょ的な味。次に鉄鍋餃子。鉄鍋餃子というと最近は東京でも出す店が増えてきたようだが、もとは九州地方の食べ物らしく、郷土料理の店や専門店でしかお目にかかれなかった。すきやき鍋のような平たい鉄鍋に小さな餃子がギッシリビッチリ詰まってジュージューいってて、表面と底はパリパリしてるようなのを想像してるわけです。そして目の前に現れたそれは、ジューともなんともいってない鍋にだらしなく凭れてべちゃーと崩れヨロけた餃子であった。・・・我々は無言でそれらを口に運び去った。
ほどなくして担々麺が到着。ひき肉の代わりに餃子の具、チンゲン菜の代わりにキャベツが入っている。想像してみるとそれほどでもないのだが、辛くて酸っぱいゴマスープとキャベツの甘味が合わないのと、餃子の具と担々麺のスープが喧嘩して、飲み込むのも苦しいくらい。完全にお手上げです。麺だけ少し啜りこんであとはやめておきました。
会計を済ませてエレベーターに向かう途中に、以前食べた「陳麻婆豆腐」の前を通りかかった。どちらともなく「なんでこっちにしとかなかったんだろう・・・」とつぶやかずにはいられなかった。