新宿御苑前ランチ:ビストロ・ヴァン・デリス/フレンチ/新宿区新宿1-1-1

世田谷区野沢から移転してきたビストロ。ビストロって何かしらと調べてみると、フランス大衆料理店のことらしい。花園通りの「ラ・トック」もそれにあたるのかな。「Bistro Vent delice」で検索すると以前のお店の様子が或る程度わかるのだけど、店の規模は小さいながらも質の良いサービスで評判が良かった様子である。新しい店の場所は新宿御苑の四谷大木戸門の向かいで、夏まで「せんば自由軒」が営業していたところ。
ランチは1050円のセットで、肉と魚とシーフードの中から選ぶ。サラダ・バゲット・コーヒーか紅茶が付く。私はチキンのマスタードソースかけ、Iさんはホタテのナントカ(失念)を頼んだ。料理が出てくるまではそんなに長く待たなくて済んだのが幸い。鶏肉は皮がパリパリに焼かれていて、ナイフを入れると肉汁がじゅわーと出てくる。へんな臭みもなくておいしかった。バゲットはあたためて出してくれるのが有難い。しかしつけあわせがマーガリンなのが残念。ソースにパンをなすりつけて食べるのが大好きなのだけど、バターじゃないとソースに馴染んでくれないんで困る。これは何か意図があるんだろうか。
ランチについては以上です。ここからはオペレーション不備についての苦言になるので、読みたい人だけ続きをどうぞ。

 12時半くらいに行ったらほぼ満席だが空きもあるようなので入口で待ったのだが、なかなか案内がない。やっとこさ席に落ち着いて、メニューを見てオーダーしようとすると今度は店員が全然つかまらない。3回くらい呼んだのだが「少々お待ちください」つったっきり、別な席の皿を下げたりガムシロの補充とかしてるし。おいおい。
 いまさら店を変えるのも面倒なんで、適当にランチを頼んで待つ間に店内を観察してみた。フロアに出ているのは女性2人で、ひとりは多少慣れているがもうひとりは不慣れな様子で、たえず指示を出しているようだがうまく伝達してるように見えない。40席くらいあるフロアに誰も居ない時も多かった。
 たぶん厨房は1Fで、そこで調理したのをエレベータで上げているようだ。2階の簡易調理スペースと思しき所に人がバタバタと始終出入りしているのが見えてしまう。内装の洒落加減とフロアから丸見えのエレベーターがミスマッチなのは前に入っていた「せんば自由軒」と同様。今年の初めに自由軒で食べた時は、2Fの店員スペースでのインターホンの声がフロアに丸聞こえだったりして、おまけにそれがテンパっちゃったりしてた日にはこっちがつらかった。「パフェの盛り付けのやり方が分かりませええええん」とか「クリーム切れました」とかそんな感じで、全然くつろぐどころじゃなかった。
 気になった点がまだある。自分でもしつこいと思うけど忘れないうちに書いておく。内装はほとんどそのまま前の店のを流用しており、ちょっと洒落た間接照明のような明かりが天井からぶら下がっているのだが、これが全く照明の働きを成していない。夜になればまた違うのだろうが、ランチの時間帯だと外光に負けてしまい、店内が相対的に薄暗く見えて卓上の料理がまったく美味しそうに見えない。同じく御苑沿いにある「オリオール」の店内も同様。これが「ラ・ボエム」だと、天井を2Fまでの吹き抜けにすることで外光を店の奥まで入れることに成功しており、薄暗い印象は無い。
 あと店員があまりにも愛想なさすぎる。これは店員個人が悪いんではなくて、業務量に対して人員が少なすぎるために傍目でもテンパってるのが分かるし、客としてもそういう店員に声はかけづらい。だいたいこういう店の店員さんって、過剰なくらい丁寧だったり愛想が良かったりすることが多いんで、いきなりブスっとした人に応対されると戸惑ってしまう。ファミレスならまだしも、これはちょっといただけない。
 いろいろ書いてしまったんで整理してみると、料理は値段の割に良いのに、内装と店員の服装から想起させられる雰囲気と、実際のオペレーションが伴っていないところからミスマッチが起きているということです。自分がサービス業経験者なので気になっていろいろ見てしまうのだけど、場所柄からして更に厳しい眼で見ているプロも多いと思われます。とにかくランチタイムに限って云えば、もう少し使える人を入れた方がいいんじゃないでしょうかね。夜に行ったら全く違うのかもしれないけど、それは私の預かり知らぬことなので置いておきます。