入間基地航空祭

F-4EJ

せっかく電車1本で行けるのだから、とデジカメをぶらさげて行ってきた。
空模様はいまいちだったのが残念だが、見たかったものは全て見ることができた。
 「入間基地」の名前は昔から頻繁に接していたにも関わらず(父が出張したりとか)、今年9月に「ハイドパークフェスティバル」に行くまでは位置すら知らなかった。もっと山のほうにあるもんだと思い込んでいた。フェスに行く西武線に乗っていて、既視感のある景色だと思ったら基地の中を線路が通っていた。稲荷山公園(ハイドパーク)の由来を考えればすぐに気づきそうなものであるが、ニブイとしか云いようがない。
 プログラムによれば11時から飛ぶというので中野を9時に出る。同行者は昨夜の飲み会が祟って遅刻。もっともムリヤリ?誘ったので、来てくれただけで感謝。電車が西に進むほどに家族連れで混雑してくる。運転室には何故か3人いて(普通は1人だけ)、しばらく見ていると腕章をつけた初老の運転手さん?が窓を開けて傍にいた子供たちに電車の写真が入った西武線カードのようなものを配っていた。そして小平で降りていった。なんだったんでしょう?ファンサービス?私もほしかったが恥ずかしいのでやめておいた。所沢で乗り換えて稲荷山公園で下車。臨時改札が出来ていて、人で溢れかえっている。切符出口とパスネット出口に分かれており、パスネットのほうは機械で処理するので進みが遅い。しまった。往復切符にすればよかった。出口を出てすぐに航空祭記念パスネットが売っていたので1枚買う。いよいよ基地の中へ。
 低いエンジン音が響いてきてでっかい輸送機(C-1)が飛んできた。と見るうちに落下傘が15ケくらいバラバラ落ちてきた。こないだ(10月末)百里基地で見たのは4つくらいだったので、ヤケに景気よく撒いてるように見えて笑ってしまう。たてまえ*1の餅撒きのようだ。
 入ってすぐ脇に売店テントがずらりと並んでいる。食べ物とグッズ屋を一通り見て腹ごしらえ。同行者はからみもちと揚げあられ、自分はきなこもちを買ってそのへんで座って食べる。その間にもT-4やらC-1が編隊で飛んでいった。グッズはさすが地元というか、C-1がらみがいくつか。SDガンダムみたいにデフォルメされた作戦支援機(C-1・E-767・C-130)マスコットマグネットをお買い上げ。かわいすぎる!
 腹がくちたのでいよいよエプロンへと出撃。混雑の中をじりじりと進みながら地上展示の飛行機を眺める。といっても近過ぎると人の壁で何も見えないので適度に距離を取りながら進む。迷彩色のヘリコプターがトラックを吊り上げてぐるぐる回っている。それにしても静かだ。百里基地航空祭だと、ひっきりなしにエンジン音が響いてイーグルだのファントムが頭上をぐるぐるしており、隣りの人とおちおち話もできないような状態なのだけど。
 13時にブルーインパルスが始まるまでは地上展示を見ていた。F-1、F-2、F-4、F-15、T-2、T-4、他に練習機など。F-1は来年退役とのマーキングがあった。他の機体も航空祭記念マーキングが施されているものがある。こういうのを見るとお祭りだなあと嬉しくなる。あとは陸自のヘリがいくつか。卵のかたちをした偵察用のが超プリティ。アレにヨーロピアンカラーの水色(FIAT 500みたいな)をベースにして、オレンジか朱色でラインを引きたい。って自分でプラモ作ればいいのか。他には陸自の支援トラック類が面白かった。地震災害で活躍した炊事車や、虫のような複眼がついた板がアンテナになってるのとか砲弾が打てる奴とか。陸自は馴染みがないので機種名がわからない。
 ハンガー内では毎度おなじみのジェットエンジンの展示や、細かい設備品展示があった。いちばんウケタのはエンジンカッター実演。鉄パイプがばっつり切られたものが転がっていて、近くの係員に声を掛ければお試し可能になっている。やりたかったけど足でも切るとイヤなのでやめといた。どさくさで桜マークのついた官給品である折りたたみ自転車まで展示されていた。「災害地移動用」だそうで。なるほどと感心するべきか、おいおいと突っ込むべきか。
 同行者はクレープを食べてる人を見て自分も食べたくなったらしく、昼時の混雑にめげずに売店へ突っ込んで行ったのでバナナチョコクレープをお願いして、自分はグッズ売店を眺めていた。ステッカー売場で「AIR ROCK」デザインを見つけてやりきれない想いがぶりかえす。岩崎さんの輝くような笑顔を思い出し、あんなに上手い人がどうして落ちてしまったのかと。何度問いかけても帰ってくるわけではないが、過去の記事などで岩崎さんのことを目にするたび、いつでもそう思わずにはいられない。
 そのうちに13時を回り、ブルーインパルスがいよいよタキシングを始めた。周りもざわつきはじめ、航空無線をワッチする音量が大きくなった。空模様は相変わらず白い雲がかかっているのが残念だ。6機がテイクオフして演技開始。親切なことに、プログラムの裏面にメニューが全部載っているので、それを見ながら進入方向に気をつけて待機する。しかしやはり先日の百里と同じく、ファインダー内で機体がなかなか捉えられない。あっと思うともういないし。しかしそこはデジカメを連射モードにしてシャッターを押し捲ればなんとなく写っている。あー、べんりだわこりゃ。プログラムにはなかったが、上方開花が見られてよかった。
 14時30分、ブルインが終わると気の早い家族連れが退場し始めて、会場が少し空いてきた。しかしまだやることがある。輸送機の地上展示をまだ見ていないのとファントムのエンジン音を聴くことだ。しばらくかかりそうなので、再度売店に行ってキーマカレーをゲットする。なかなかスパイシーでおいしい。雨がぽつぽつ降ったり止んだりしはじめた。F-15とF-4が移動したので、人垣に混じってじりじりと離陸の瞬間を待つ。F-4の乗組員がたくさんおみやげのようなものを持ってるように見えたが、あんなん積むスペースがあるのだろうか?などと考えてるうちに、F-1、T-2、F-15が離陸していった。さよーならー。
 天気も悪くなってきたし、ファントムはあきらめて帰ろうということにして、YS-11が展示してあるほうに歩いていくと、ブルインT-4が滑走路をタキシングし始めた。すると滑走路沿いに並んだ観客がいっせいに手を振りはじめた。それを見て涙が出そうになったのは年のせいだろうか。私も感謝の意を込めて手を振った。事故もなく無事に終わって良かった。楽しませてくれてありがとう。また次回も来て下さい!続いてファントムが離陸していった。腹にひびく重いエンジン音。これですよ!私が聞きたかったのは。至極ご満悦で稲荷山公園駅に向かった。
 自宅へ戻ってレンタルのカメラを発送し、駅前の串焼きや「四文屋」で晩飯を食べた。

  • 次回への教訓
    • カメラはマニュアルでピントが合うものを選ぶ。
    • ズームカメラは便利だけどオートフォーカスでは飛んでるヒコーキは撮れない。
    • パスネットは時間がかかるので使わない。往復で切符を買っておく。

*1:上棟式の茨城弁