多摩動物公園

 
珍しく早起きして、朝ごはんをしっかり食べてから多摩動物公園に向かった。
同行のnipper氏によると、多摩美の学生さんには定番の散策所で、一日ヒマがつぶれるようなところだそうな。東京で動物園といえば上野か井の頭しか知らないので、どんなものかと思いながら中央線に揺られて立川で下車。モノレールへ乗り換え。これがまたエライ高いところを走っていて、高所恐怖症の人は失禁するんじゃないかという見晴らしの良さであった。


多摩動物園駅で降りるとすぐに動物園の入り口に着いた。パンフレットを見ると、たしかにとんでもない広さであることが分かったので、絶対見たいものをピックアップしてから見ることにした。園内は大きく4つに分かれており、入り口近くから昆虫園・アフリカ園・オーストラリア園・アジア園になる。その中でも特に見たいのがアフリカ園に集中していたのでまずはそこから攻めることにした。


しかし目的地に行くまでが、散策つーよりハイキングみたいに坂のアップダウンが激しい。子供連れは大変だろうなあと横目で見ながら歩くと、崖の下にライオンが放し飼いにされていた。よく見るとその敷地にバスが走っていてかぶりつきでライオンを観察できる仕組みのようだ。しかし乗り場が分からないので置いといて、まずチーターを見に行った。


チーターもライオンと同様に、観客の手に触れない程度の幅を持たせた敷地を与えられて悠々と歩いていた。そしておもむろに丘の上でおすわりの姿勢をとり、一声「みゃおぅん」と鳴いた。今の声はノラ猫じゃないのかと見ていると、勢いがついて止まらなくなったのかしきりに、みゃおう、みゃおぅん、と鳴き始めた。うーんしかし、猫はネコだがあんなんでも同じような鳴き声なのだな。草むらでネコの鳴き声がするからと覗いてみたらチーターだったりするかもしれない。これからは気をつけることにしよう。


同じネコ系のサーバルワオキツネザルなどを見て、次はアフリカゾウ。インドゾウは過去に何度も見ているが、アフリカゾウは初めて見る。土色でとにかくデカイ。耳がはたはたしている。しっぽをすいっと上げたら排泄の合図らしい。運動場の裏側には日本橋浜町から出土したというナウマンゾウの写真が貼ってあった。今の勤め先の近所である。どこから出たのかあとで調べてみることにした。


売店で生ビールを買って休憩。まだ3分の1も見ていない事実に愕然としつつも、入場料も安いし、また来ればええやんとオトナの余裕をかましたつもりで貧乏性の自分に言い聞かせた。
やっとライオンバスの乗り場を発見。チケットを買って列に並んだ。バスは京王電鉄が請負で運行しているらしい。側面が全てガラス張りの特殊な車体である。檻で二重になったゲートをくぐって出発。ライオンは全部で26匹で、そこらにゴロゴロ寝ていたり、バスに向かって走ったりといろいろだが全体にマターリしてる。以前行った東北サファリパークとはエライ違いだ。あそこは草むらにライオンが一匹だけ入ってて、ライオンが見えても見てなくてもぐるっと1回だけ回ったらもうオシマイなのだ。そのけちくささに比べてどうだ。公立は税金で運用しているからサービスが良くなくちゃいかんのかどうかは知らないが、とにかく動物が見れなかった、ということは決して起こらないぐらい個体数が多くて、スペースがゆったりしているので見ていて辛くならない。
ライオンの敷地には小さな池があり、カルガモが育児の真っ最中だったのがおかしかった。かえって天敵が来なくて安全なのだろうか?
猛禽類の檻はドーム状で木がわさわさあって、オオタカがゆうゆうと飛び回っていた。その広さに驚く。
チンパンジーは外から見るよりガラス張りの中から見たほうが面白かった。自販機の使い方を知っている個体がいて、買うところは見れなかったがジュースの缶を逆さに振ってしずくを飲もうとしていた。


さてここまででアフリカ園は終了。次はオーストラリア園。
だんだん疲れてきて観察がいいかげんになってきた。
一応ここでの目玉はコアラ。実物は初めて見るが、なんつーかテレビで見るのと同じで木にしがみついたままである。爪がするどそうだなーとか、それだけ。
アカカンガルーは暑いのかみんなぐったり寝ていた。寝姿が妙に色っぽい個体がいた。
ウォンバットは思ったよりでかくてモコモコしてて可愛いのか気持ち悪いのか微妙な佇まい。ワラビーはちっこかった。それにしてもオーストラリアの動物というのはみんなどっかネジが外れている。その昔、学研発行の科学雑誌(後にオカルト雑誌になった)「ウータン」に載っていた鼻行類とか居てもぜんぜんおかしくない。


お次はアジア園。すでに閉館まで3時間を切っているのでオランウータンとヒグマだけを重点的に見ることにした。朝から居るのにやっぱり全部回れなかった!
「スカイウォーク」という高さ12mのタワーに全長150mのロープを張ったオランウータン専用通路がつい先ごろ完成したばかりで、ちょうど通りかかった時に子供のオランウータンが飛び地から渡って帰ってくるところだった。渡りながらも糞をしていたので直下で見るのはやめたほうがよさそう。
あとは駆け足でユキヒョウやらシフゾウ(蹄はウシ、角はシカ、顔はウマ、体はロバに似てるけど、どれでもないから"四不像")やらサイやら見てるうちに閉園時間に。


吉祥寺で降りて「まめ蔵」にカレーを食べに行った。
えーと値段は忘れましたが欧風の野菜カレーでした。量は少ない。サラダが同じ皿に乗ってくる。デザートが充実してたようだけど350円くらいするので今回はやめておいた。
なんつーか正しい喫茶店のカレーだと思いました。ガツンと食べたい人はインド系の食べ放題に行ったほうかよろしいかと存じます。